会長挨拶
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第26回日本低侵襲脊椎外科学会学術集会(JASMISS)
会長 有薗 剛
このたび第26回日本低侵襲脊椎外科学会学術集会(JASMISS)を、令和5年11月16日(木)、17日(金)の両日に、アクロス福岡(福岡市天神)にて開催させていただくこととなりました。低侵襲手術を中心に多岐にわたって我が国の脊椎外科をリードしてきました本会を担当させていただくことを、大変光栄に存じます。
テーマは「一意専心 - 革新と検証 -」とさせていただきました。物事の進歩には、弛まぬ努力とそれを支える強い熱意が不可欠ですが、更なる向上のためには、加えてひたすら一つのことに心を集中することが肝要と思われます。「一意」も「専心」も、いずれも一つのことだけに心を注ぐこと、集中することの意味で、古くは中国の政治論書である「管子」に「四体既に正しく、血気既に静かに、意を一にし、心を摶らにし、耳目淫せずんば、遠しと雖も近きが若ごとし」という一文があり、この「意を一にし、心を摶らにし」が語源とされています。現代語では「体が健康で、血流や呼吸が安静で、意識を統一して心を集中し、耳や目の感覚が乱されることがなければ、遠くにあるものも、まるで近くにあるもののようにはっきり感じ取ることができる」という意味で、このことから、一つのことに集中する様子を一意専心と表現するようになったと言われています。
このような境地と熱意から様々な分野で進歩や革新がおこってきました。低侵襲脊椎外科も、正しく先人達の多大なる努力によりまして内視鏡手術や低侵襲固定術等を中心に大いに発展してきました。一方では、新しく進んできたことに対して冷静で客観的な評価を行い、改良や修正を加えていくことも、極めて重要と思われます。本学会がそのような機会となれば大変幸甚に存じます。
特別講演では、弁護士の堀内恭彦先生に医療機関におけるクレーム対策について、大阪大学の森口悠先生にAIついてのご講演を賜る予定です。海外からの講師も含めたシンポジウムとビデオセッションを多く組み入れ、先生方が精力を傾けてこられた工夫等について議論できる会にしたいと考えております。
福岡の中心地天神は地下鉄で博多駅から5分、福岡空港から10分と大変利便性の高い場所です。多くの先生方が参加していただけますよう鋭意準備を進めて参りますので、何卒、宜しくお願い致します。